下北のヒバの有効活用について~そそり立つ ヒバの美林の 濃き緑~
下北かるたの「そ」に詠われているように青森県の県木であるヒバ(ヒノキアスナロ)林は、日本三大美林のひとつで、下北半島に集中して分布している。その材質は緊密で香りよく耐水性や耐腐性、防虫など建材としてすぐれた性質を有していることから、その活用については、無限大の可能性を秘めている。すでに、ヒバの箸などの工芸品、ヒバ油を使ったアロマオイル、ヒバの線香などたくさん市場に出回っている。
そんな中、むつ市柳町のはんこ屋さんが、ヒバ印章を考案し、今回、実用新案登録にこぎつけた。ヒバ材は成長の遅い分、ねじれなどの狂いを生じやすく、扱いにくい材木であり、製材の過程で生じる端材は、これまでほとんど薪として燃やすしかなかったと言う。
県の経営支援課の「中小企業支援マーケティング事業」に採択され、林業試験場木材加工部の技術指導を受けたほか、圧密やウレタン塗装など県外の加工事業者の協力も得て、ようやく完成した。経営者の川下大吾さんは、注文を受けると、依頼主の氏名の画数や生年月日などから、その方の運勢の上昇する字体を見極め、印面を仕上げる。ヒバの端材が立派な開運の印鑑に生まれ変わるのである。
これまでの木製印は印面からの朱肉油の浸透と、それに起因する印面の破損を防ぐ技術が確立していなかったが、今回の発明は、木の温もりや木目の美しさなど、質感を残したままハンコそのものの強度を高めることに成功し、新しい印章の付加価値として提案できると業界の評価も高い。
今後は、中学校や高校の卒業記念品としてヒバ印章を贈ることも企画しているほか、ヒバ油を使用した朱肉も研究中とか。
現在、はんこ屋さんとして3年目を迎えた川下さんは、36歳の働き盛り。規模は小さいが、下北人特有の粘り強さとソフトな対応で頑張っている。そんな人を是非応援して行きたいものである。
by やんばるくいな
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